基本情報

著者:ジェイエル・コリンズ
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2020/1/23
ページ数:238(ソフトカバー)
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債券・為替・外貨預金:2位/一般・投資読み物5位/株式投資・投資信託13位
著者の略歴
ジェイエル・コリンズ(JL Collins)
ブログ「jlcollinsnh.com」を運営するファイナンシャル・ブロガー。
1975年から投資を行っている個人投資家で、インデックスファンドへの投資だけで経済的自由を手に入れた。
2011年、娘宛てに「お金と投資」についての手紙をブログに発表すると、世界中から注目されるようになる。
この本との出会い
私は5年ほど前から『アクティブファンド』で国内投資信託のNISAを始め、300万円ほど投資し100万円ほどの利益が出ましたが、運に左右されるような投資にストレスを感じていました。
『両学長のリベラルアーツ大学』に出会い高配当米国ETFを知りましたが、「外国株なんて怖い」と動き出せずにいた毎日。『安全な投資方法』を模索していたところ、ある日偶然『中田敦彦のYoutube大学』で紹介されていたこの本に出会い、Kindleで購読しました。
この本のテーマ『貯蓄×投資×簡素なライフスタイルで、お金よりも貴重な「自由」が手に入る』が、私の目標とする人生に近かったので「これだ!」と思いました。
投資についてだけでなく、人生哲学について書かれているのでとても勉強になります。
豊かになるための3原則
原則1:無駄遣い・借金をせず投資する
「支出は稼ぎより少なくする。余りは投資する。そして、借金をしない。」この3つを実践するだけで裕福になれます。
『バビロン大富豪の教え』を始め、その他の堅実な蓄財の本ではおなじみの豊かになるための原則です。逆に、これができなければ絶対に豊かにはなれないと言っても過言ではないでしょう。

『バビロン~』では、『収入の1/10を貯蓄する』ことを推奨していましたが、著者は『収入の半分を投資に回すこと』を勧めています。
それと同時に、『現金で買えない物は買ってはいけない』と説いています。日本では家や車はローンで買うのが一般的という意識が強いので、耳が痛い方も多いのではないでしょうか?
マーケティングは日に日に巧妙になり、私たちは『高価なもの』『素敵な物』を欲しがるように知らない間に刷り込まれています。
「手元にお金がなくても、リボ払いや消費者ローンがあるから大丈夫」と悪魔が耳元でささやきます。
ところでそれ、本当に必要な物ですか?
誰かの価値観に踊らされていませんか?
原則2:投資に最良のタイミングなどない。今すぐ一括投資せよ。
「投資するのに良いタイミング」はない。というのは、これから先ずっと上げ相場が続くかもしれない中で、いつくるかわからない暴落を待っていては投資するタイミングを逃してしまうということです。
そしてそして、驚きの一括投資の推奨!ドルコスト均等法は、一般的に安全な投資の王道だと言われているので、読んだ瞬間腰を抜かしそうになりました。
でも、「ドルコスト平均法では得られる利益が減少し、分割投資の度に手数料がかかる。」と言われると、なるほどわからなくもない。
そこで、ちょっと計算してみました。
SBI証券/楽天証券では、1回の取引に0.495%の手数料がかかりますが、手数料は以下のように定められています。
約定金額 | 手数料 |
2.22米ドル以下(約233.32円) | o円 |
2.22超~4,444.45米ドル未満 | 約定金額の0.495% |
4,444.45米ドル以上(約467,116円) | 22米ドル(約2,312円) |
例えば500万円を投資するのに月20万円ずつ分散投資をすると、手数料は1回につき990円。これの25か月払いなので、合計24,750円。
逆に500万円を一括投資すれば、手数料は2,312円で済むということです。
さらに、配当金は投資額に対して計算されるため、同じ期間の配当金合計を比べた場合、時間をかけて積立した場合と、一括投資では大きな差が出ることが想像できますね。
「1%でも多く配当金を!」と願っている個人投資家にとって、この22,438円の差は大きくないですか?
一括で投資できる資金が手元にないという方は、必然的に「ドルコスト均等法」を選択するしかないのですが、ある程度まとまった資産を持っている方には一考の価値があると思います。
本書では、ドルコスト均等法に反対する6つの理由が書かれています。これから自分の投資スタイルを作ろうと思っている方にはぜひ読んでみていただきたい。
けれど、『相場を見ずに手持ちの財産を一括投資』というのはかなり勇気のいる手法ですよね。
怖くてこのアドバイスに従えない場合や、投資した途端に市場が下落するかもしれないと思うと、夜も眠れないという場合には、ドルコスト均等法を使うのがよいでしょう。
というアドバイスもありますので、自分の性格などを考えて無理のない投資計画を立てるのが良いでしょう。
原則3:危険な投資に手を出さない
危険な投資とはどんなものでしょうか?
アクティブファンド
「市場のタイミングをつかもうとするのは、長期的に見ると、勝てないゲームです」
プロ集団が運用するアクティブファンドも、個人投資家が個別株を購入することも『市場のタイミング』を見て取引をすることになるため、どちらにしても勝てないゲームだと著者は主張します。
多くのアクティブファンドは、インデックスファンドに似せたポートフォリオを組んでいることが多いのですが、決してインデックスファンドに勝てない理由のひとつが「高額な手数料」です。
一般的に運用手数料0.5%以上はべらぼうに高いと言われています。
私の所有している米国ETFの経費率は0.06~0.08です。それに比べ、国内アクティブファンドの信託報酬は1~2%が標準的です。この差が将来的に大きな収益の差を産むため、手堅い運用法ではないと思われます。
ちなみに前述したとおり、私の投資生活はアクティブファンドから始まりました笑
個別株投資
「私たちは、儲かる株式を選び出すことはできません」
「投資が複雑になるほど、利益を上げにくくなります」
個人投資家には会社の経営状況の判断が難しく、投資先を増やせば増やすほど手数料がかさむという考えからです。
個別株を保有している私には耳の痛い話ですが、これに関しては意見の分かれるところだと思います。
HDV・VYM・SPYDあたりは比較的高配当ですが、インデックス投資やETFは個別株に比べて配当比率が低めです。著者の推奨しているVTSAXの配当比率も1.51%程度と低めです。
配当の高い個別株はやはり魅力的ですよね。
ギャンブル性の強い投資
「信用取引は絶対にやってはいけません」
デイトレードは運に身を任せた『ギャンブル』だし、信用取引は最悪大きな借金を背負うことになりかねません。
「やるかやられるのギリギリが燃えるぜ!」という勝負師以外は手を出さないのが賢明でしょう。
結局どの銘柄を買うか

上のグラフはクレイソン氏がおすすめする基本のポートフォリオですが、それぞれの性格・資産でこの比率は調整すべきと説明しています。
年齢や条件を二つのステージに分け、最適なポートフォリオのバランスや移行のタイミングなどについても丁寧に解説しています。ポートフォリオ作成に悩んでいる方には力強い味方になってくれる本です。
それにしても、このポートフォリオはシンプルかつ、かなり大胆です。
「すべての卵を1つのカゴに入れて、そのことを忘れましょう」
「使う道具はVTSAXとVBTLXだけ」
著者が勧めているのは、この2つの銘柄だけに長期投資し、インカムゲインを再投資して資産を増やすという方針です。
銘柄は2つだけなので、「分散投資をしないなんて危険すぎる!」と思う方もいると思いますが、実は
・VTSAX(バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド)
アメリカの上場企業ほぼ全てに分散投資するインデックスファンド
・VBTLX
(バンガード・トータル債券市場インデックス投資信託)
アメリカのほぼ全ての債券に分散投資をしているインデックスファンド
VTSAXとVBTLXを買うだけで、広く分散投資を行うことが可能なのです。どちらもバンガード社の商品であり、アメリカではかなりメジャーな投資先と言われています。
ですが、残念ながらどちらも日本で購入することはできません。
VTSAXが購入できない国に住んでいる人向けには、以下のアドバイスがありました。
「アメリカ以外の国の方は、グローバルの株式市場をフォローするバンガードのインデックスファンドを探してください」
あくまでもバンガード推しですね笑
本書では、なぜ著者がここまでバンガードを推すかという理由も書かれていますので、気になった方はぜひ本を手に取って読んでみて下さい。
著者の意見を参考にして調べてみると、クレイソン式投資を日本でする場合は以下の銘柄が対象になると思います。※あくまでも私の解釈です。
株式
・VTI(Total Stock Market Index Fund ETF)
・楽天全米株式インデックスファンド
・VT(Total World Stock ETF)
・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
債券
・BND(Total Bond Market Index Fund ETF)
VTIは『米国の約3,600銘柄に分散投資しているETF』で、楽天全米株式インデックスファンドは『VTIに100%投資している投資信託』、VTは『全世界約7,800銘柄に分散投資するETF』、BNDは『米国の約3,200の債券に分散投資しているETF』です。
いずれもバンガード社の商品です。
楽天全米株式インデックスファンドは配当金を出していないので、インカムゲインを狙うならETFを選択するのが現実的かなと思います。
積立NISAを利用する場合はETFを選択することができないので、楽天全米株式インデックスファンドを選ぶことになると思います。
ちなみに、『楽天全米株式インデックスファンド』はあくまでも商品なので、楽天証券でしか買えないということはありません。
まとめ:この本から学んだこと5つ
私がこの本から学んだことをざっくりまとめると、以下の5点です。
- 収入の半分を投資に回し、無駄遣いや、どんな形の借金もしない
- 株式・債券は、広く分散投資してくれるバンガード社の1銘柄ずつに集中投資
- 相場を見ずに今すぐ一括購入して長期投資
- インカムゲインを再投資して資産を増やす
- 投資スタイルは性格・年齢・資産を総合的に判断して決める
この本を読んで私なりに感じたことを紹介させていただきましたが、お金持ちになるための生活法と手堅い投資法を教えてくれるとても素晴らしい本でした。
『目から鱗の投資法』『お金持ちになるシンプルな方法』『賢いお金の使い方』について解説されていますので、金融リテラシーを上げたい方だけでなく、既に投資を始めている方が読んでも得るものがあると思います。
また、もともとは未成年の娘さんのために書かれた本なので、投資初心者やお子さんへの金融教育にも最適ですよ。
『1回外食をするより、ずっと価値のある本』だと私は思いました。

では。
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